2024年8月8日、Lazuli株式会社と株式会社ギブリーは、共催ウェビナー「小売・卸・製造業の生成AI活用成功のカギはデータベースのリッチ化 ~AI×商品DB・ナレッジベースの業務効率化手法~」を開催しました。
Contents
本ウェビナーでは、小売・卸・製造業において生成AIの効果的な活用を実現するためのデータベースのリッチ化に焦点を当て、具体的な手法や取組事例を紹介しました。
生成AI活用におけるデータ品質向上の重要性
オープニングでは、生成AIの活用を促進する上で、データ品質の向上がいかに重要であるかをお伝えしました。
生成AIの効果を最大限に引き出すためには、既存業務にどれだけ生成AIを適用させることができるかが鍵となります。450社以上にわたる生成AIの導入・活用支援を提供してきたギブリー社によると、既存業務に生成AIを適用させるためには、①自社データとの連携、②職種別の専用プロンプトの作成が有効であるとされています。
本イベントでは、①の自社データとの連携に焦点を当て、生成AIをハルシネーションを起こさずに使うために重要な「データ品質の向上手法」について、Lazuli社とギブリー社がセッションを展開しました。
Lazuliが提案するデータベースのリッチ化手法
Lazuli執行役員の北庄司が登壇し、企業が保有する非構造化データ(企業が持つデータの約90%を占める)をいかにリッチ化するかについて具体的な手法が紹介されました。商品マスタやプロダクトデータのリッチ化が例として挙げられ、ブランド名や特徴タグといった情報を付加することで、生成AIがより正確なアウトプットを生成できるようになります。
また、ECサイト向けの商品情報生成や、ID-POSデータを活用した生成AIによる新たなクラスタリング手法など、実際の事例を通じてその効果が示されました。
※プロダクトデータとは:プロダクトデータは、単なる取引や売上管理にとどまらない、顧客にとって価値のある商品データを指します。カテゴリ、商品特徴タグ、検索タグ、グルーピング、レビュー情報など、従来は見過ごされがちだったデータを包含しています。Lazuli PDPをご利用になる際にはLazuliが収集する外部プロダクトデータの利用が可能となります。
ギブリーが提唱する顧客対応におけるナレッジデータベースの重要性
続いて、ギブリーの守屋氏が登壇し、顧客対応における生成AIの活用について、ナレッジデータベースの重要性とそのリッチ化手法を解説しました。従来の顧客対応のナレッジ(マニュアルなどのデータや人に蓄積された経験など)は、分散していたり、更新が滞ったりと、適切に管理・活用されていないことが課題でしたが、生成AIの登場によりこれらの課題が解決される可能性が示されました。
守屋氏は、KCS(Knowledge Center Service)という概念を取り入れることで、顧客対応が大幅に効率化されると述べています。具体的には、顧客対応業務の中でナレッジを常に更新し、生成AIが自動で回答を生成したり、返信文を作成したりする際に、常に最新のナレッジを参照できるようにすることで、アウトプットの質が向上し、業務の効率化が実現します。
具体的な事例として、家電量販店における店舗とECの顧客対応のナレッジ管理を統合し、返品・キャンセルなどの対応マニュアルなどに基づく自動回答が可能になった事例を紹介しました。
データベースのリッチ化がもたらす未来
登壇者2名によるディスカッションでは、生成AIを活用するために、自社内の各部署やウェブサイトに散在するデータを構造化し、リッチ化することの重要性について話がなされました。これにより、生成AIがハルシネーションを起こさず出力をできるようになり、企業の業務効率化がより促進されます。
本ウェビナーを通じて、Lazuliとギブリーは、生成AIの活用を推進する企業に対し、データベースのリッチ化手法を提案し、今後もその支援を続けていくことを約束しました。
会社概要
<Lazuli株式会社について>
Lazuliは2020年7月に設立されたスタートアップです。高度なAI技術を駆使し、クラウドサービスとして、DXやEC、マーケティングの担当者など、ビジネスに関わる誰もが世界中の商品情報を利用できるSaaS「Lazuli PDP」の開発・提供を進めています。商品が製造、流通、販売される中で、企業間、あるいは企業内においてもスムーズに同期されていない商品データの課題の解決に努めており、製造業や小売業におけるサイロ化されたデータを統合・整備することで、DX推進を支援します。ビジネスに携わる人々が容易に商品の情報にアクセスできる世界の実現を目指します。
会社URL:https://lazuli.ninja/
<株式会社ギブリーについて>
事業内容:
・HRテック事業(Track)
・マーケティングDX事業(DECA)
・オペレーションDX事業(MANA|法人GAI)
会社URL:https://givery.co.jp/
本イベントご紹介サービスURL:https://deca.marketing/service/cloud/ai-cs/
(「生成AI」を活用したカスタマーサービスプラットフォーム『DECA AI接客』)