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【イベントレポート】生成AI活用の最前線:データ戦略とビジネス変革

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Oct.18.2024
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2024年7月30日、Lazuli株式会社はセミナー「トレンドで終わらせない。小売・製造業界における生成AI活用戦略。」を開催し、小売業・製造業の皆様に向けて最新の生成AI活用戦略を共有しました。本レポートでは、企業のAI活用を検討している皆様にとって役立つ情報を中心にまとめました。

第一部 基調講演「クラスメソッド 横田氏が語る生成AIの潮流と流通業にもたらす未来とは」

クラスメソッド株式会社 代表取締役の横田 聡氏より、生成AIの最新トレンドとそのビジネスへの影響について、生成AIの進化が企業にどのような利点をもたらすかを具体例を交えて説明しました。

生成AIの進化とビジネス適用

生成AIは、単なるトレンドに終わらず、画像認識や映像からのテキスト生成など、多岐にわたる機能を持っています。特に、少子高齢化や生産年齢人口の減少といった社会的背景から、顧客対応のロボット化やオフィス業務の自動化が進む中、生成AIの役割はますます重要性を増しています。例えば、企画のアイデア出しやメールの自動分類、システム開発のコードアシストなど、生成AIは業務効率化に大きく貢献しています。

データ戦略の必要性

横田氏は、「生成AIが大事なのではなく、企業が持っているデータが大事だ」と指摘しました。特に注目すべき点は以下の通りです。

  • 非構造化データの活用:企業内データの90%は非構造化データであり、これらを構造化し活用することが競争力の源泉となります。
  • データの一元化:部門ごとに分散したデータを一元管理し、意思決定に活用できる体制を整えることが重要です。
  • クラウド化とデータ基盤の整備:まずはクラウド化を進め、その上でデータ基盤を整備することが、生成AI活用の土台となります。

チェンジマネジメントの重要性

横田氏は、生成AIを企業に導入する際の課題として「チェンジマネジメント」を挙げました。生成AIを効果的に活用するためには、社員が新しい技術を受け入れ、日常業務に組み込むことが必要です。クラスメソッドでは、全社員にAIのアカウントを配布し、ガイドラインやサポート窓口を整備してオンボーディングをサポートしています。

第二部「国内外の事例から学ぶ。〜ネスレ日本の生成AI活用戦略とは〜」

ネスレ日本株式会社 常務執行役員 デジタル&イーコマース本部長の島川 基氏より、ネスレ日本における生成AIの具体的な活用事例を紹介いただきました。

データの一元化と生産性向上

ネスレ日本では、生産性を上げ競争優位を確立するため、CXトランスフォーメーションとビジネストランスフォーメーションを推進しています。その中においてもすでにAIは活用されており、生成AIを活用したデジタルコンテンツの生成やパーソナライゼーション、消費者動向の分析、ビジネス効率向上など、顧客体験の最適化やCRM施策の強化に役立てています。

社内向けAIツールの活用

ネスレ日本では、社内向けに開発されたChatGPTをベースにしたChatbot「NesGPT」を活用し、社員が生成AIを日常的に使える環境を整備しています。このツールはドキュメントの読み込みや要約、翻訳の質の向上などに役立っており、世界の中でも特に日本国内の従業員によるプロンプト生成、利用が進んでいます。
生成AI活用推進のために、適切なトレーニングと社内での活用を応援する仕組みづくりや倫理的かつ安全な活用のためのルールづくりの必要性が示されました。

第三部「海外企業の事例から見る、AI活用トレンド」

株式会社顧客時間の奥谷 孝司氏とLazuli株式会社の萩原 静厳氏が、海外企業のAI活用事例を紹介しました。

小売業におけるAI活用の現状

米国小売業では、テキストの要約や洞察の生成など、特定の領域に特化したAI活用が進んでいます。例えば、Walmartは顧客向けアプリに生成AIを活用した検索機能を搭載したり、InstacartはChatGPTを用いたチャットボットを導入するなど、顧客サービスの向上に役立てています。リテールテックのタッチポイントにおいては、データ収集自体は進んでおり、それらをAI活用に向けてどのように活かしていくのかが重要になってくると述べられました。

データ整備の重要性

AI活用の鍵はデータ整備にあります。企業が持つ非構造化データを構造化し、AIが学習しやすい状態をつくり、生成AIを活用してビジネスの意思決定に役立てることが重要です。Lazuliでは商品データの整備と活用を支援しており、ユニファイドコマースの実現など企業のデータ活用に向けたサポートをしています。

おわりに

Lazuliは、クラウドベースのデータ管理とリアルタイムなデータ活用を推進しています。企業が持つ多様なデータやマスタデータの中でも特にプロダクトデータをキーとしてデータを統合、生成し、目的に応じてデータ活用をすることができるプラットフォーム「Lazuli PDP」を提供しています。クラスメソッドは、生成AI環境の構築やエンジニアリングサポートを提供し、企業のAI活用やデジタルトランスフォーメーションを支援しています。

今回のセミナーでは、生成AIの最新トレンドとその具体的なビジネス適用について、多くの知見、事例が共有されました。特に、データ整備と社内におけるチェンジマネジメントが生成AIの導入成功の鍵であることが強調されました。 生成AIの活用は、もはや選択肢ではなく必須の戦略となっています。本レポートを参考に、小売業・製造業の皆様にとって、この情報が今後の生成AI活用戦略に役立つことを期待しています。