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株式会社ベイシア

EC事業の強化には必須だった、商品マスタの課題解決。Lazuli PDPの導入で、リアル店舗を抜いて売上1位に

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Nov.7.2022
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Lazuli PDPを実際に導入いただいている企業の方に、導入の決め手や実際に運用している事例、解決できた課題などをうかがうシリーズ。今回は、群馬県を中心に1都14県に136店舗のネットワークとEC事業を運営するショッピングセンターチェーン”株式会社ベイシア(以下ベイシア)”の EC部 部長の戸枝 智存さんにお話をうかがいます。

導入前の課題
数万点の商品情報をEC情報として登録しなければならなかった。 情報を集めるも、粒度にばらつきがあった。
導入後の効果
扱う商品の80%以上の商品説明文をカバーできるようになった。 リアル店舗以上に売上がある領域を作ることができた。

OMO施策の中核を担うEC事業の3つの柱

--ベイシアでは2022年7月からLazuli PDPを導入いただいております。戸枝さんが担当されているベイシアさんのEC事業における戦略がどのようなものか、教えていただけますでしょうか?

戸枝:ベイシアでは、ポイントプログラムをアプリと板カード両方で2020年12月にスタートさせました。スーパーマーケット各社がポイントプログラムを実施している中、ベイシアは最後発だと思います。それゆえ、アプリ会員の募集に力を入れたため、様々なデジタル施策を打ちやすいという特徴があります。

そのさまざまなデジタル施策の中で、OMO施策の中核を担うのがEC事業です。EC事業は現在、主に3つの事業を展開しています。具体的には、

  1. ベイシアアプリからクリスマスケーキやおせちなど各シーズンのイベント商品を予約して、リアル店舗で受け取る「ご予約EC」
  2. 楽天市場やYahoo!ショッピングなどへの「モール出店」
  3. 楽天全国スーパーに日本第一号として出店した「ネットスーパー事業」

です。

--EC事業における目標やこういったことを目指す先についてはいかがでしょうか。

戸枝:1の「ご予約EC」ですが、例えばクリスマスケーキやおせちの予約はご来店の上、紙でやり取りをしていました。お客様は紙に手書きする必要があったり、弊社ではそれをデータ入力して集計するなどかなり手間がかかっていました。こうした紙での注文がアプリ経由で実現できるようになって、お客様も弊社側も作業負荷の軽減というメリットがあります。

またご予約ECでは、イベント間近に需要が集中する商品を欠品なくお客様にお買い上げいただけるようになることに加え、予約が高まるにつれて製造量の精度向上が見込めます。結果的に廃棄ロスが減るので、SDGsの観点からも注力しています。「予約をしていただく=ご来店いただける」ことにもなるので、今後も重点を置いて進めていきたいと考えています。

2の「モール出店」においては、現在はナショナルブランドの売れ筋商品を中心に販売しております。その一方で、ベイシアでは食品を中心にオリジナル商品の開発も行っており、今後もっと強化していく方針です。こうしたベイシアオリジナル商品や弊社が厳選した商品を、ベイシア出店エリア以外のお客様にもお届けすることが1つの目標です。

3の「ネットスーパー事業」では、新規顧客の獲得が目標ではありません。ベイシアは「スーパーセンター」という大規模店舗を最も得意としていますが、日々のちょっとした買い物をする場所としてみると不便に感じるお客様もいらっしゃるのではないかと思います。これはベイシアアプリの分析からも見えてきている課題の1つです。

来店が難しいのであれば、私たちから持っていけばいいのではないかと着想して、商品をお届けするサービスを展開しています。ですから、新規顧客獲得ではなく、ロイヤルカスタマーへの追加サービスの位置づけです。

Lazuli PDP導入でEC事業重点領域のペット用品が売上1位に

--どういう課題を解決するために、Lazuli PDPを導入されましたか?

戸枝:これまでのEC事業では、各カテゴリーの大手メーカーの大ヒット商品だけを扱っている状況で、商品説明はほぼ不要でした。商品登録は簡単だったものの、訴求できることが売価以外にないという状況でした。

そこで2022年に入ってから、取り扱い商品の領域を絞って戦略的にEC事業を進めることにしました。領域を絞った分、深い品揃えをしていくことになるため、最初に商品登録で課題が出てきました。2022年以前の商品取扱数は数百から1,000点ほどだったのが、この施策により数万点に膨れ上がってしまったんです。この数万点の商品情報をECに登録しなければならないという課題がありました。

また、ネットスーパーをはじめるときには、最初は社内に散らばっているファイルをかき集めて商品マスタを作ってはみたものの、うまくいかない……。特に商品説明に関しては、データがあってもリアル店舗向けの内容のみだったり、EC用の商品説明としては不向きなデータしかなかったんです。お取引先のみなさまに情報入力をお願いをしてみたものの、膨大な関係者の方々が同じ粒度で情報を入力するのは非現実的でした。

こうした状況の中、Lazuli PDPの存在を知って活用してみようとなりました。

--商品マスタに関する課題をうかがいましたが、Lazuli PDP導入の決定打になった事例を1つ教えていただけますか?

戸枝:楽天全国スーパー立ち上げ当初の話ですが、リピートいただけるお客様が私たちの想定よりも少なかったという課題がありました。私たちの分析では、EC画面を作ってサービスを開始したものの、お客様にとって必要な情報が不足していたり、販売終了の商品を掲載してしまっていることがわかりました。こうした苦い経験があって、各商品画面を丁寧に作っていく必要性を感じたんです。

こうした中、グループ会社のカインズが先行してLazuli PDPを使っており、良い評判を聞いていました。ほかにもソリューションがいくつかあったので当たってみましたが、それでもLazuli PDPにした決め手があります。

Lazuli PDPでも誤った情報が出てくることはありますが、これらを正すことでAIが学習し、データの精度が上がっていく点です。1対1でしか答えを返してくれないサービスでは私たちのニーズには合わず、覚えさせることでよりよいものになっていく必要があるんです。この部分においてLazuli PDPがベストであり、他社と決定的な違いだと判断しました。「小さな改善を続けて成果につなげる」という弊社の企業文化にもマッチしていると考えました。

--Lazuli PDP導入後3ヵ月が経過しましたが、現時点で解決できたことはありますか?

戸枝:社内には多数のデータが散らばっているのですが、各商品の説明文はゼロに等しい状態でした。それがLazuli PDPを導入することによって、ベイシアで扱う商品の80%以上の商品説明文がカバーできたと考えています。これが大きな成果です。

EC事業の重点領域の1つにペット用品があります。前期末におけるリアル店舗を含めた順位で、ECのペット用品は18位でしたが2022年9月には1位になりました。つまり、ペット用品を最も売り上げているのはリアル店舗ではなく、EC事業なんです。これがわずか数ヵ月で実現できたのは、Lazuli PDPのおかげだと思ってます。

--最後にベイシアが実現したい未来についてお聞かせください。

戸枝:これまでスーパーマーケットはマスのお客様に対しての訴求に重点を置いてきましたが、これからはそうではなく1人1人のお客様に対して向き合っていく必要があると考えています。そうなってくるとリアル店舗での買い物だけでは不十分で、オンラインでの買い物とマージして分析を行い、それぞれのお客様の志向に合ったクーポンを出す、サービスを提供することなどがキーになってくると考えています。

こうした未来を見据え、楽天全国スーパーでもおそらくベイシアが唯一だと思うのですが、楽天IDに加えてベイシアIDを入力いただいてからお買い物をしていただくようにしています。この点が障壁になってしまう恐れはあるんですが、これにはリアル店舗とオンラインの両方の買い物を合わせて綿密に分析したいという思いがあります。

この分析には、購入いただいた商品のタグ付けも重要になってきます。いずれはリアル店舗の全商品にタグ付けを行い、ベイシアで購入いただいた商品からお客様の属性を把握できるようにしていきたいです。こうした点でもLazuli PDPは最適なソリューションになるのではと期待しています。

※ ページ上の内容は2022年9月時点の情報です。