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人がいない方が、サービスは良くなる?|Lazuli Executive Briefing 2026.9.10

人がいない方が、サービスは良くなる?|Lazuli Executive Briefing 2026.9.10

生成AI

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こんにちは。

Lazuli CEOの萩原です。

地上波のニュースでも取り上げられていたのでご存知の方もいると思いますが、9月3日からアメリカ・オースティンでTeslaの「Cybercab」が一般客を乗せて走り始めたニュースが話題になりました。

Cybercabは、TeslaがRobotaxi専用に開発した車です。


https://www.tesla.com/support/robotaxi/cybercab

ハンドルもない。
アクセルもブレーキペダルもない。
バックミラーもサイドミラーもない。

最初から「人間が運転する」ということを考えずに作られています。

もちろん、自動運転タクシーそのものは新しいものではありません。

アメリカではWaymoがすでに複数の都市でサービスを展開していて、San FranciscoやLos Angeles、Phoenixなどでは、ドライバーのいない車に乗って移動することが日常の風景になりつつあります。

なので、今回のCybercabが走り始めたことを取り上げて「無人タクシーの時代が来た」と言うのは少し違いますが、

Cybercabをきっかけに、自動運転タクシーについて私が面白いと思うことは、

「人間のドライバーがいない方が、タクシーとして快適だ」

ということです。

「人がいない」は、デメリットなのか

普通のタクシーに乗ると、当然ドライバーがいます。

挨拶をして、行き先を伝える。

人によって運転の仕方も違いますし、話しかけてくる人もいれば、ほとんど話さない人もいます。

車内で電話をするときに、少し周りを気にすることもあります。

もちろん、素晴らしいドライバーの方もたくさんいます。

ただ、自動運転タクシーでは、こうしたことを一切気にする必要がありません。

アプリで車を呼ぶ。

乗る。

移動する。

着いたら降りる。

それだけです。

車内では仕事をしてもいいし、電話をしてもいい。

家族で乗っているなら、周囲を気にせず家族だけで話していられる。

そして、ドライバーによって接客や運転の体験が大きく変わることもありません。

人間がいなくなったことでサービス品質が落ちるのではなく、

人間がいないこと自体が、新しい価値になっている。

これは考えてみると、結構面白い変化です。

ちなみに、Xでは以下のような投稿がありました。

「Cybercabを初めて試す人には、シートを完全にリクライニングして、1分間目を閉じてみることをおすすめします。伝統的に運転手が座る場所で、ステアリングホイールやペダルがない車があなたを運んでくれる中で居眠りできるのは、かなり新しい感覚です。」

引用:https://x.com/sawyermerritt/status/2095993244945457239

AI導入では、逆のことを考えていないか

企業でAIを導入するとき、よくこんな議論があります。

「AIに任せて、本当に人間と同じ品質を出せるのか」

「最後は人間がチェックした方がいいのではないか」

「顧客対応は、やはり人間がやるべきではないか」

もちろん、人間が対応した方がいい仕事はたくさんあります。

でも、少し違う問いを立ててもいいのではないかと思います。

「AIは人間と同じ仕事ができるか?」ではなく、

「人間がいない方が、むしろ顧客にとって良くなる仕事はないか?」

例えば問い合わせ対応なら、人間がいなければ24時間いつでもすぐに返事ができるかもしれません。

担当者によって回答が変わることもなくなるかもしれません。

以前問い合わせた内容を、毎回最初から説明する必要もなくなるかもしれません。

商品を探すときも、店員に自分の細かな希望を説明するより、AIが過去の行動や条件を理解したうえで探してくれた方が便利なこともあるでしょう。

つまり、

人間をAIに置き換えても、今までと同じサービスが提供できる。

ここをゴールにするのではなく、

人間を前提にしていた制約がなくなることで、

今までより良いサービスを作れるかもしれない。

ここまで考えることが、本当のAI活用なのではないでしょうか。

ちなみに自動運転タクシーのメリットを集めてみました。

あまりに多くてAIの素晴らしさを実感します。参考までに。

  • 車内で機密性の高い電話をかけたり、オンライン会議に参加したり、パソコンを開いて仕事をしたりしても、情報漏洩や会話を聞かれる心配がない

  • 自分の好きな音楽を大音量で流したり、あるいは完全に無音にして静かに仮眠をとるなど、自分の部屋のようにリラックスできる

  • ライドシェアやタクシーでよくある「運転手への挨拶」「行き先の確認」「愛想笑いや世間話」が一切不要

  • 運転手の機嫌や体調によって、運転が荒くなったり、スピードを出されすぎたりすることがない

  • ドライバーが車内でタバコを吸ったり、強い芳香剤や体臭が気になったりすることがない

  • 運転手と2人きりになるリスクや、不適切な発言、トラブルに巻き込まれる恐怖がゼロ

  • 「チップを何%払うか」の計算や、それによる心理的駆け引きが一切不要

ちなみに、Cybercabで一番気になったのは

Cybercabについて個人的に一番気になったのは、自動運転でもAIでもありません。

バタフライドアが、めちゃくちゃカッコいい。


Cybercabが迎えに来て、目の前でドアが上に開く。

それだけで、普通のタクシーとは全く違うものに乗る感覚になります。

でも、これも意外と重要ですよね笑

どうせ呼ぶなら非日常感のあるタクシーがいい。

企業がAIについて考えると、

効率化。

省人化。

コスト削減。

どうしても、そんな言葉が並びます。

でも、それは企業側の都合です。

ユーザーからすれば、そのサービスの裏側で人が何人減ったのかなんて、ほとんど関係ありません。

以前より便利になった。

以前より快適になった。

以前より安くなった。

そして、

以前より、ちょっとワクワクする。

AIによって作るべきなのは、そういう体験なのだと思います。

人がいなくなったことで、今まで作れなかった体験を作れないか

AIによる変革とは、人間をAIに置き換えることだけではないと思います。

人間がいることを前提に作られてきた商品やサービスを、もう一度ゼロから考えてみる。

そこで初めて、

「AIで効率化した会社」ではなく、「AIによって新しい価値を作った会社」

になれるのではないでしょうか。

Lazuliも効率化や省力化だけでなく、新しい価値創造、新しいワクワク感を提供する会社にしていきたいと思います。


萩原 静厳

CEO, Lazuli株式会社