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AIはあなたのブランドを知っている。でも、なぜ選んでくれないのか? ── 大手アパレル企業約20社が参加した「AI時代のブランド認識」ワークショップレポート

AIはあなたのブランドを知っている。でも、なぜ選んでくれないのか? ── 大手アパレル企業約20社が参加した「AI時代のブランド認識」ワークショップレポート

小売

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製造

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EC売上向上

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生成AI

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データ管理

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競合分析

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AIはあなたのブランドを知っている。でも、なぜ選んでくれないのか? ── 大手アパレル企業約20社が参加した「AI時代のブランド認識」ワークショップレポート

「Xブランドとはどんなブランドですか?」とAIに聞くと、創業の歴史から、サブラインの構成、支持層のイメージまで、驚くほど詳しく答えが返ってきます。

ところが、「30代です。通勤にも週末にも着られるジャケットを探しています。予算は3万円くらいで、人とかぶらないものがいいです」と、ユーザーの立場から条件を足して聞いていくと、Xブランドは候補からきれいに姿を消してしまいます。

2026年8月19日(水)、コモレ四谷タワーコンファレンスで開催したクローズドのワークショップイベント「AI時代にアパレルブランドはどんな文脈で認識されるのか。〜エージェンティックコマース時代に選ばれるブランドになる方法〜」で見えてきたのは、まさにこの現象でした。

AIに知られていること ≠ AIに選ばれること。

大手アパレル・スポーツブランドのEC・DX部門から23名(約20社)が参加した本イベントでは、Lazuli Chief Evangelistの伴によるインプットセッションと、参加者自身が実際にChatGPTを使って「自社ブランドがAIにどう認識されているか」を確かめるワークショップを実施しました。

「AIはブランドを理解していないのでは」という予想に反して、参加者が実際に突き当たったのは、「AIはブランドについて詳しく答えられるのに、ユーザーの条件から探させると候補に出てこない」という、もう一段深い課題でした。本レポートでは、その気づきに至った当日の流れと、参加者の生の声を紹介します。

開催概要

項目

内容

日時

2026年8月19日(水)17:30〜19:00

会場

コモレ四谷タワーコンファレンス

主催

Lazuli株式会社

登壇

髙野 一朗氏(Opportunity Creator)/伴 大二郎(Lazuli株式会社 Chief Evangelist)

約20社のアパレル・スポーツブランド企業から23名にご参加いただきました。うち約74%がEC・デジタル・DX関連部門に所属し、約30%が部長・ディレクター級以上のポジションでした。まさに「自社のEC・ブランド戦略の意思決定に近い立場」の方々が集まった会となりました。

インプットセッション:購買の入口は、すでにAIに移りつつあります

セッションの冒頭、伴はこう切り出しました。人がECサイトを検索し、選び、決済するという従来の「E-commerce」から、AIエージェントが検索・選定・決済・サポート対応までを担う「Agentic Commerce」へ、購買プロセスそのものが移り変わりつつある、という指摘です。

その動きは決して未来の話ではありません。2025年後半から2026年にかけて、Google・OpenAIをはじめとする主要プラットフォームが、次々とAI経由の購買を支える仕組みを発表しています。特に2026年5月19日のGoogle I/Oで発表された「Universal Cart」は、検索・Gemini・YouTube・Gmailなど複数のGoogleサービスを横断して1つのカートで買い物を完結させる仕組みであり、Amazon・Meta・Microsoft・Salesforce・Stripeといった名だたる企業がGoogleの提唱する「Universal Commerce Protocol(UCP)」に参加を表明しました。「規格の乱立」から「収束」に向かうスピードは、多くの事業者の想定より速くなっています。

すでにL'Oréalの「ChatGPT内でのバーチャル接客」、Sephoraの「購買履歴を踏まえた接客エージェント」、Ralph Laurenの「Ask Ralph」、Celine(LVMH)の「CELIA」など、海外のハイブランドはAIエージェントを介した接客・提案の実装を始めています。こうした事例を踏まえて紹介されたのが、自社が「AIに認識され、選ばれ続ける状態」にあるかを診断する5段階フレームワーク「AI-Ready 5 Step Framework」(Structure → Enrich → Deliver → Stay Fresh → Optimize)です。

このフレームワークが指し示す方向性を、ワークショップでは参加者自身の手でより具体的に体感していただく構成になっていました。

指名すれば詳しく答えるのに、指名せずに聞くと出てきません

ワークショップのテーマは「AIは、あなたのブランドをどう語っているか」。参加者は自社ブランドを1つ選び、実際にChatGPTやGoogle検索に質問を投げかけながら、「見られたい姿」と「AIが実際に語る姿」のギャップを検証していきました。

進め方は2段階に分かれています。まず「ブランド名を指名して」直接AIに聞きます。「【ブランド名】はどんなブランドですか」と尋ねれば、AIはかなり詳しく答えてくれます。次に、ブランド名を伏せたまま、顧客側の視点で「このブランドがAIから推薦されるとしたら、顧客はどんな言葉で検索・質問しそうか」を洗い出し、その顧客目線の質問を今度は"指名せずに"AIへ投げていきます。そこに「予算は◯円くらい」「オンラインで買えるものがいい」「人とかぶらないものがいい」という条件を1つずつ積み上げながら、同じ質問を繰り返していきます。

ある老舗アパレルブランド(以下「Xブランド」)を題材にした伴による実演が、この2段階の違いを鮮明に示しました。

指名して聞くと── 知識型(ChatGPT)は「長い歴史を持つ老舗ブランド」「”服”ではなく”ライフスタイル”を売ってきたブランド」と、正確かつ詳細に説明します。サブラインの構成まで正しく分解できていました。

指名せずに、顧客目線の言葉で聞くと── 「30代です。通勤にも週末にも着られるジャケットを探しています」という質問に対し、知識型ではXブランドは候補に挙がるものの、セレクト系・ベーシック系ブランドの後方に位置づけられました。検索型(Google AIモード)では、そもそも上位に出てきません。

そこに条件を1つ足すと── 「予算3万円くらいです」を足した瞬間、知識型では海外ハイブランド勢(数万円〜二十数万円台)が一斉に候補から外れる一方、Xブランドは残りました。ただし検索型では、価格情報が構造化データとして渡っていないため、AIが記事の記述を平均して答えてしまい、実売価格とズレた形で候補に残ったり、逆に落ちたりする現象が起きていました。

さらに「人とかぶらないものがいい」を足すと──Aブランドは両方の回答から姿を消しました。AIが「定番=多くの人が着ている=かぶる」と解釈し、無名の国内ブランドや別注・限定モデルに候補が入れ替わったのです。実際には、Aブランドにも限定ライン・別注・生産数の少なさといった「かぶらない」条件に応えられる情報は存在します。問題は、それが商品ページの写真やコピーの中にしかなく、AIが読める属性情報として存在していないことでした。

指名して聞けばここまで正確に答えられるAIが、顧客の言葉・条件で聞かれた途端に答えられなくなります。つまり、AIはブランドを「知っている」が、ユーザーの状況・条件と結びつけて「選ぶ」ことができていないのです。良い商品でないから出てこないのではなく、多くの場合は「選ぶために必要な情報」がAIの読める形になっていないから、というのが伴の指摘でした。

気づきの整理:①見て分かる → ②読んで分かる → ③選べる

ワークショップを通じて見えてきたのは、ブランドの魅力を伝える情報が、3つの異なる段階に分けられるという整理です。

  1. 人が見て分かる ── 写真・動画・図・クリエイティブで魅力を伝える段階です。これまでのECサイトは、この段階をかなり磨き込んできました。

  2. AIが読んで分かる ── 写真やコピーの中だけでなく、テキスト情報として商品・ブランドの特徴を持たせる段階です。AEO・GEO対策として、ここへの意識はすでに広がり始めています。

  3. AIが選べる ── 商品の特徴・価格・用途・シーン・希少性などを体系化・属性化・Schema化し、ユーザーの条件(予算・シーン・かぶりたくない、等)と結びつけられる状態にする段階です。

Aブランドの実演が示していたのは、①はすでに十分に磨かれ、AIも②の水準では正確にブランドを説明できていたということです。ズレが生じていたのは③、つまり「ユーザーのこの条件なら、この商品が合う」という推薦につながる形に情報が整理されていない、という点でした。

Agentic Commerceの時代に問われているのは、①②の先にある③「AIが選びやすい状態をつくること」です。これは今回のワークショップで、参加者に最も強く持ち帰っていただきたかった視点でもあります。

「4人に3人」が最優先課題に選んだもの

ワークショップに先立ち、参加者に「現在、最も優先度の高い課題」を選んでいただいたところ、次のような結果になりました。

課題

選択率

AIエージェント・AI検索(AEO/GEO)への対応を進めたい

75%

EC商品ページの品質・情報量を上げたい

55%

データ整備の工数・人員不足を解消したい

35%

商品マスターの設計・再構築をしたい

20%

競合・市場の商品情報を分析したい

20%

商品データのサイロ化・散在を解消したい

5%

参加者の4人に3人が「AIエージェント・AI検索への対応」を最優先課題に挙げています。ワークショップで体感した「①②はあっても③が足りない」というギャップは、特定の企業だけの悩みではなく、アパレルEC業界に共通する課題だと言えるでしょう。

参加者の声

事後アンケートでいただいた、印象的なコメントをご紹介します(公開許可をいただいたものを掲載しています)。

「自分たちが思っているブランドイメージの大枠はずれていなかったのは良かったです。ただ、一般消費者が調べそうなプロンプトで自社ブランドが出るかは少し不安だと感じました。」

まさに「AIに知られていること」と「AIに選ばれること」のギャップを、参加者ご自身が言語化してくださったコメントです。

「頭でわかっているつもりのことも、実際に手を動かすことで、理解が深まると再認識できました。お客様の行動が変わっているので、最新の知見を得られる場は有意義でした。」 ── 株式会社シップス 茅野 充宏 様

「AIにどう認識されているか、ということをわかりやすく、可視化できるワークショップで非常に勉強になりました。伴様からのAIの潮流のお話しからワークショップの題材までが、つながったテーマになっていて、とてもわかりやすく、勉強になりました。ブランディングの中に信頼の要素が重要になってきていると感じました。」 ── サザビーリーグ アウルスケープ 加藤 瑛文 様

その他にも、次のような感想をいただきました。

「AIエージェントでどんなプロンプトを打てばいいのか、がよくわかりました。持ち帰って弊社のブランドたちの現在地を確認したいです。また、PDPの管理画面を見て、ようやくデータがこうなるのかと理解できました。」

「自社が全く対応できていないことに気づけました。」

「構造化することが重要なことが体験を通して理解できました」

「知る」だけで終わらせず、社内に持ち帰って自ら手を動かしてみたくなる ── これは、当日のワークショップが目指した設計そのものでした。

Lazuliからのご提案

ワークショップで浮かび上がった課題は、「①人が見て分かる」「②AIが読んで分かる」までは整っていても、「③AIが選べる」状態、つまり商品の特徴・価格・用途・シーン・希少性などが体系化・属性化・Schema化され、ユーザーの条件と結びつけられる形になっていない、という点に集約されます。

これは、Lazuliが「Lazuli PDP(Product Data Platform)」で取り組んでいる領域そのものです。Lazuli PDPは、メーカー各社のCSVやPDFなど散在した非構造化の商品情報を自動で抽出・構造化・一元管理し、AIによる推定・分類・生成を通じて情報を拡張し、活用先ごとに最適な形式で出力するデータプラットフォームです。ブランドが持つ「①見て分かる」魅力と、AIが理解している「②読んで分かる」知識を、「③選べる」データに変換する役割を担っています。

Forbes JAPAN「JAPAN'S AI 50」選出、経済産業省主催コンテストでの優秀賞受賞など、第三者からの評価もいただいています。

次の一歩を、一緒に

今回参加できなかった方も、ぜひ一度、自社ブランドを対象に試してみてください。まずブランド名を指名してAIに聞き、次にブランド名を伏せて顧客目線の言葉と条件で聞いてみる。その両者の答えの差が、自社の現在地を映し出してくれるはずです。

AIに「知られている」だけでは、選ばれません。そして、AIに選ばれない=存在しない時代が、すでに始まっています。

その一歩に向き合うところから、Lazuliがお手伝いさせていただきます。自社の商品情報・商品データの現状を確認したい方は、以下からお気軽にご相談ください。

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