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奥谷孝司さんのChief Strategist就任に込めた思い ― AI時代の商品情報を考える|Lazuli Executive Briefing 2026.10.8

奥谷孝司さんのChief Strategist就任に込めた思い ― AI時代の商品情報を考える|Lazuli Executive Briefing 2026.10.8

Generative AI

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Data Management

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こんにちは。
Lazuli CEOの萩原です。

今週、Lazuliとして非常に嬉しいことがありました。

創業当初からアドバイザーとして関わっていただいていた奥谷孝司さんに、Chief StrategistとしてLazuliの経営に参画していただくことになったことです。

奥谷さんは、皆さんもご存知の通り、良品計画やオイシックスなどで、長年マーケティングや顧客体験に取り組んできた方です。

Lazuliとは創業当初から、商品情報とマーケティング、そして顧客体験について議論を重ねるなかで、たくさんの目から鱗なご意見をいただいてきました。

商品の流れと、情報の流れが一致していない

今回、奥谷さんが就任にあたって書いてくれたコメントの中で印象的な話があります。

奥谷さんが以前から問題意識を持っていた、「商流」と「情報流」のズレです。

商品はメーカーから小売へ、確実性の高いサプライチェーンが構築されています。

一方で、その商品の情報は同じようには流れていません。

商品の詳しい情報が小売には届いていなかったり、ECと店舗で持っている情報が違ったりする。

オムニチャネルを本当に実現しようとすると、この問題にぶつかります。

これまでは商品情報を整備しても、それがすぐに売上につながるように見えなかったので、なかなか本気で投資されてきませんでした。

「ようやくAIの時代が来た」

奥谷さんが言ってくださっているように、

AIが商品を探し、比較し、推薦する。

この変化が徐々に浸透し、皆さんも少しずつ実感し始めているのではないでしょうか。

この消費者としての変化に対して、

企業側は本当に「AI-Ready」なのだろうか?

企業はこれまで、人間が商品情報を使うことを前提に設計してきました。

商品マスタは、社内の業務を正しく動かすために作られている。

ECの商品ページは、人間が読んで理解できるように作られている。

ブランドサイトやカタログには、商品の背景やブランドの思想が書かれている。

さらに、レビューや問い合わせ、販売員の知識など、商品の価値を理解するための情報はさまざまな場所に存在しています。

問題は、それらの情報はAIから見ればバラバラだということです。

AIにとって必要なのは、単に「正しい商品マスタ」があることではありません。

その商品は誰に向けた商品なのか。

どんな状況で価値を発揮するのか。

似た商品と何が違うのか。

そのブランドがなぜこの商品を作っているのか。

こうした情報を横断して、商品の「意味」を理解できることが重要になります。

つまりAI-Readyとは、AIツールを導入することだけではなく、

「自社の商品やブランドを、AIが理解できる状態にしておくこと」

でもあるのではないかと思います。

そして、ここから企業の商品情報のあり方そのものが変わってくると考えています。

では、AIに何を理解させるのか?

ここからが、企業にとって難しいところです。

AIに理解してもらうべき商品情報とは、何なのでしょうか。

私は、企業が対応すべきAIには大きく二つあると思っています。

一つは、顧客に商品を届けるためのAIに理解されるための商品情報です。

AIが顧客のニーズを理解し、商品を探し、比較し、推薦する。

そのためには、商品名や価格、サイズ、スペックだけではなく、

「誰に向けた商品なのか」
「どんなシーンで価値を発揮するのか」
「他の商品と何が違うのか」
「ブランドとして何を大切にしているのか」

といった、商品の「意味」までAIが理解できる必要があります。


もう一つ重要なのが、企業の中や企業間で働くAIに理解されるための商品情報です。

例えば、

営業担当者に代わって顧客の条件に合う商品を探すAI。
数十万点の商品から仕入れるべき商品を選ぶAI。
メーカーから送られてきた商品情報を、自社の商品マスタに登録するAI。
ECモールごとに必要な情報を生成するAI。

あるいは、メーカーと卸、小売の間で商品情報をやり取りし、確認や登録まで進めるAI。

AIエージェントが企業の業務に入ってくるほど、AI同士が商品情報を読み、判断し、次の仕事を進める場面が増えていきます。

そのとき必要になる情報は、消費者向けの商品説明だけではありません。

商品コード、規格、原材料、物流条件、取引条件、互換性、法規制、販売チャネルごとの制約など、業務を正しく進めるための情報も必要になります。

顧客に商品の価値を伝えるための情報と、AIが企業活動を正しく実行するための情報。

AI-Readyな商品情報には二つの側面があると考えます。

メーカー、卸、小売、EC、そして最終的な顧客まで、商品を中心にさまざまなAIが動くようになれば、その共通の土台になるのが商品情報です。

だからこそ、商品情報を単なる「商品マスタ」として捉えるのではなく、

「人間とAIが、その商品について理解し、判断し、行動するための共通基盤」

として捉え直す必要があるのではないかと思っています。

商品情報が「顧客体験」になる

商品情報がAI-Readyになることで、何が変わるのでしょうか。

かつてECによって物流の意味が変わったことに近いのではないかと、私は思っています。

以前、物流は企業の裏側にあるオペレーションでした。

しかしECが普及すると、「すぐ届く」こと自体が顧客にとって大きな価値になりました。

例えば、ヨドバシカメラで商品を買う理由の一つに、驚くほど早く商品が届くことがあります。

ECによって、物流というバックエンドの能力が顧客体験になった。

AIによって、商品情報にも同じことが起きるのではないでしょうか。

商品情報が充実していれば、AIが自分に合った商品を見つけてくれる。違いを自分に合わせて説明してくれる。企業の中では営業や商品企画、仕入れ、EC運営などのAIが、商品をより正確に理解して仕事を進められる。

さらに企業をまたいでAIが働くようになれば、メーカー、卸、小売の間でも、より正確でスムーズに商品情報を流せるようになるかもしれません。

つまり商品情報は、これまでのように「正しく管理するためのデータ」だけではなく、AIがより良い顧客体験や企業活動を生み出すための基盤になっていくのではないでしょうか。

AI時代の商品情報を考える

今回、奥谷さんにChief Strategistとして参画していただいたことをきっかけに、Lazuliでも改めてこのテーマを突き詰めていきたいと思っています。

AIに自社の商品やブランドについて、何を理解させるべきなのか。

消費者のAIだけでなく、企業の中で働くAI、企業間でやり取りするAIに、どのような商品情報を渡すべきなのか。

そして、その先にどんな顧客体験や企業活動をつくれるのか。

これは単なる「商品マスタの高度化」ではないと思っています。

これから人間とAIが商品について理解し、判断し、行動するための共通基盤をつくること。

奥谷さんが長年考えてきた「顧客起点」の視点と、Lazuliが取り組んできた「商品情報×AI」を掛け合わせながら、

AI時代の商品情報のあるべき姿を皆さんと共につくっていきたい。

奥谷さんのChief Strategist就任は、そのような意味を持っていると考えています。


Agentic Commerceへの対応などでお困りのことがありましたら、いつでもご連絡ください。


萩原 静厳

CEO, Lazuli株式会社