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Agentic Commerce時代、世界のリテールは何を見ているのか|Lazuli Executive Briefing 2026.7.2

Agentic Commerce時代、世界のリテールは何を見ているのか|Lazuli Executive Briefing 2026.7.2

Generative AI

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こんにちは。

Lazul CEOの萩原静厳です。

先日Lazuliでは、「NRF APAC・Shoptalk EUROPE・Viva Tech 報告会」を開催しました。

各イベントを通じて、海外の小売・ブランド企業で起きている変化や、AI・データ活用の最新事例をご紹介しましたが、おかげさまで多くの経営層やDX責任者の皆さまにご参加いただきました。

「リテール市場に衝撃を与えるAgentic Commerce」

昨年から動き始めたこのムーブメントが、日々リテールマーケットに衝撃を与えています。

メインスピーカーとして、すべてのイベントの現地参加・視察を行った Lazuli Chief Evangelistの伴が語る内容を少しだけご紹介し、リテール・ブランド各社がこのムーブメントをどう理解し、対応・活用を図っているかを知っていただければと思います。

NRF APAC


NRF APACにおいてはAgentic Commerceへの対応が進み、「探す」から「どう出会わせるか」にシフトしていると言います。AIが情報を編集し、カスタマーに提案します。そのときに、「文脈化した商品情報を持つ」ことでAIが理解して提案するのです。

しかし、売上の75%は店舗であるという真実も理解する必要があります。これはE-Commerceが勃興してきた時と同じ議論かもしれません。しかし、「大半は店舗(だからAIは要らない)」ということではなく、店舗でもデジタル・データ・AIを活用し、顧客体験の強化を測ることが重要です。

シンガポール最大の食品・生活インフラ企業「FairPrice Group」のGroup CEOであるBipul氏は、

「顧客体験が従業員体験を上回ることは決してない」

と言い、店舗における従業員の業務効率化やそのフリクション(摩擦)をデジタルで解決してこそ「顧客体験が高まる」というメッセージとして発信していました。

SHOPTALK EUROPE 2026


欧州もトレンドはAgentic Commerceを意識した各社対応です。

Take awayセッションでは「北米より6〜12ヶ月遅れている」という発言も出てきましたが、この時間軸を「遅い」と定義する時点で、Agentic Commerceの変化の時間軸は相当早いことを意味しています。

Estée Lauderの欧州・中東エリアのPresidentoであるNadine Graf氏も、

「顧客のスピードに企業がついていけてない」

と発言しており、カスタマー自身がAI活用をどんどん進め、AI化しない企業にストレスを感じる状態であることに企業自身がついていけていないことに危機感を示していました。

このスピード感に対応するには、デジタルツールに依存しない「独自のデータ基盤」を持つことが重要だという発言もありました。つまり、アプリやECなどのプラットフォームに商品データや購買データを根付かせてしまうと、チャネルの変化スピードにデータ基盤がついていけなくなるということを示しています。

一方で、グローバルブランドの多い欧州ならではの特徴が垣間見える瞬間もありました。

NespressoのGlobal Head of Retail & Customer CareであるJaime Moore氏は、この動きに違和感を感じており、

”デジタルファースト”でなく、つねに”ヒューマンファースト”

というスタンスで戦略を語っていました。

結果的に、

「AIに選ばれる」ことに対応しつつも「人に選ばれる」ための信頼や体験を重視する

という、欧州らしいスタンスを保っている状態に見えました。

まだまだAgentic Commerceに対する答えは出ていない状況ですが、欧州と北米のスタンスの違いと、その上で日本のエンタープライズはどのようなスタンスと取組みを示すか、についてはしっかり検討していく必要があると感じます。

VivaTechnology


VIVATECHは、リテールに限らず、ヘルスケア・製造・モビリティ・ラグジュアリーなどあらゆる産業におけるテクノロジーの祭典ですが、

もはや「AIをどう導入するか」ではなく「AIでどう競争優位を作るか」

というメッセージに総じてシフトしている印象でした。

また、AIにおいて欧州主要人物は、対北米、対中国を意識し、

「AI Sovereignty(AI主権)」

を何度も強調し、

海外企業のAIを利用するだけではなくAIそのものを支えるインフラやデータを自分たちで持つ。

これは単なる技術論ではなく、

経済安全保障そのもの

としてAIを捉えていることが印象的でした。

このスタンスがブランド・リテールにも浸透している印象で、

自社データを整備し、

自社業務にAIを組み込み、

継続的に改善し続ける仕組みを作り、

従業員の教育までやり切る。

というようなメッセージが濃淡はあれど各セッションで語られていました。

特に、フランスはLVMHやSephoraなどトップブランド・リテールを中心に、全方位でAI活用は進めており、「顧客体験の進化」にコミットしている様子が生々しく語られていました。

詳細については、Lazuli Chief Evangelistの伴による各社勉強会やイベント報告会等で共有させていただきます。ご興味ある方はご連絡ください。


萩原 静厳

CEO, Lazuli株式会社